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貸金業者にて借入経験のある人の傾向とその分析

2014年3月まで貸金業に関する相談、紛争解決等の窓口となっていました「消費者金融協会(JCFA)は現在解散しており、代わって「日本貸金業協会」が貸金業に関する相談、紛争解決の窓口となっています。 

本記事は「日本貸金業協会」の実施した調査を元に作成しております。ご注意ください。

急な医療費やレジャーに係る費用など、お金を借りた経験があるという人は案外多いものです。

だだ、お金を借りるとは、言い換えると「借金をする」ということでもありますので、誰がどのような借入経験を有しているかについて把握する機会は少ないのでしょう。

本記事では令和1年9月に日本貸金業協会が実施した、「資金需要者等の現状と動向に関する調査結果報告」を元に、どのような人がどのような方法でお金を借りているのかについてを個人と事業者に分けて、分析・解説したものとなっています。

また、調査結果本文に記載されている、資金借入先である各種貸金業者についての解説も末尾にて行っていますので、併せてご覧ください。

なお、調査実施元である日本貸金業協会(旧日本消費者金融協会)の詳細については、日本貸金業協会の公式サイトをご覧ください。

本文中での用語定義

貸金業者:消費者金融、クレジットカード会社など、貸金業法の登録を財務局又は都道府県にて行っている金融機関。(金融庁貸金業法Q&A参照)
※銀行や、信用金庫、信用組合、労働金庫などは含まれない

資金需要者:資金需要者等の現状と動向に関する調査結果報」にて調査回答に応じたモニター。

事業者:法人、自営業者、個人事業主(フリーランス)を指します

資金需要者(個人)の傾向

日本貸業協会の調査報告では、消費者金融やクレジットカード会社・信販会社、事業者金融会社などでお金を借りた経験がある2,500名を対象に、資金需要者のステータスや借入背景など多角的な調査結果が公表されています。

個人として借入経験を有している2,500名のステータを調査結果に基づいて要約しますと、「年収が300万~500万円の40代、男性」が最も多くの割合を占める結果となっています。

日本人男性の初婚平均年齢は31.1歳(厚生労働省データ)であることから、40代の男性の多くは既に家庭を持っており、子育てに係る養育費や生活費等の支出などが一種の原因となり、このような傾向になったと考えられます。

しかし一方で、別調査項目にある「借入金の使用用途」の結果(後ほど記載)として、最も多くの割合を占めたのが、「趣味/娯楽費用」となっており、一概に資金需要者のステータスと借入目的に傾向としての相関性があるとは言い切れない結果にもなっています。

その他、調査結果から見える傾向を1つずつ解説していきます。

1.個人のステータス(性別、年齢、年収など)

資金需要者全体の男女区分としては男性が63.5%、女性が36.5%となっています。

傾向としては男性の方が女性より借入経験が多い結果となっていますね。

そのほか、大手消費者金融であるアイフルが利用者の傾向データを公表していますが、こちらも女性の借入が3割に対して、男性が7割と、男性の方が高い割合を占めています。

この性別による偏りは、マイホームやマイカーなどの大型ローンを世帯主である男性名義で契約を行ったり、仕事関係における交際費の捻出が一部の要因であるとも考えられます。

一方女性は、その大多数は生活費の補填のために借入を行っているとの調査結果もあります。

次に年齢区分ですが、最も多いのが男女共に40歳~49歳で全体の24.8%を占めています。

次いで多くなっているのが50歳~59歳の20.9%、その次は60歳以上の19.2%と、中高年層での借入割合が多く、20代や30代といった若年層での借入は比較的少なくなっている傾向にあるようです。

これは、若年層が金融機関でお金を借りるという手段をあまり認知していないことが原因の1つとして考えられます。

同調査にて、18歳から22歳までの若年者を対象に「知っているお金を借りる手段」について調査したところ、「家族・親族から借りる」が61.6%と最も高くなっています。

このことから、貸金業者を始めとした金融機関でお金を借りるよりも、身近な存在である家族や親族を中心に資金対策をしているといった実態が起因しているようです。

最後に資金需要者の個人年収区分ですが、最も多いのが300万円超~500万円以下で全体の22.6%を占めています。

国税庁では日本人の平均年収を467万円と公表しており、ちょうど平均の年収数値に位置する人の借入が多くなっています。

年収区分を示したグラフでは、500万円よりも多くの収入がある人の借入割合は減少していき、逆に300万円未満の人の借入割合はさほど減少に転じていないことからも、低所得者層を中心に資金需要が集まっていることが分かります。

2.借入資金用途

借入した資金が何に使われたのかを調査した項目になります。

最も多かったのが「趣味/娯楽(レジャー、旅行を含む)費」の41.7%、次いで「食費」の17.0%、「外食等の遊興費」14.5%といった結果となっています。

傾向としては「娯楽/趣味費」や「外食費」など、いわゆる生活必需品でないものに借金をする人が多くなっているようです。
また、借金を作る人の6割が贅沢のためとする別の調査結果も存在します。

これは、個々が借入できる上限金額がこの傾向の一因となっていると思われます。
貸金業者である消費者金融やクレジットカードのキャッシングでは、個人が借入できる金額が個々に定められています。

この金額は個々の返済能力を確かめる審査にて決定されており、契約当初から多額のお金を借りることは一般的にできません。

借入経験者へのアンケート調査を行っているサイトにて、事業者側から提示された限度額を公開していますが、どれもおおよそ50万円を限度額として提示されています。

そのため、自動車や住宅といった、大型の支出に対する借入は、貸金業者ではそもそも不向きなものとなっています。

そういった借入額の要因から、趣味や娯楽といった比較的支出額が少ない遊興費へ利用用途が集まっているともいえますね。

ちなみに趣味や娯楽費の中でも、近年ではスマートフォンアプリなどのソーシャルゲームへの課金を目的に貸金業者を利用する人が急増しています。
ソーシャルゲームへの課金はギャンブルと並んで依存性が高いものとされており、ユーザーの射幸心を煽る設計から、多額の借金をしてしまう人が後を絶たないようです。(参考:借金返済の教科書

3.借入による家計収支の変化

お金を借りたことによる個々の経済事情の変化を調査した項目になっています。
要は、お金を借り入れて経済状況が改善したかどうかを問う調査です。

その回答ですが、「経済状況に変化なし」が39.8%と最も高く、次いで「経済状況が改善した(改善する見込み)」が21.8%、「経済状況が悪化した(悪化する見込み)」が18.6%となっています。

「経済状況に変化なし」との回答が最も多かったのは、金融機関をはじめとする借入には返済が義務化されていることが要因として挙げられます。

当然のことですが、借りたお金は臨時の収入ではなく返済する必要があります。これは貸金業者契約時に発行される「金銭消費貸借契約書(参照:さいたま市)」にもしっかと明記されていることです。
ですので、借入が家計収支へ与える影響としてはプラスでもマイナスでもありません。

むしろ、利息が発生するため借りたお金以上の金額を支払う必要がでてきますので、家計収支のマイナス要因にすらなりえます。

それでも、「経済状況が改善した」が「経済状況が悪化した」と回答した人と比べて1.4ポイント上回っているのは、計画的な返済を行った人や大手消費者金融などのサービスである「無利息での借入サービス」などを上手く活用した結果であると考えられます。

いずれにせよ、借入とはその特性上、家計収支を改善させるものではなく、資金不足の際の一時凌ぎとして利用される傾向にあるようです。

4.借入申請の背景

資金需要者がどうしてお金を借りるに至ったのか、その背景を調査した項目となります。

利用者が借入申請を行った背景としては、「将来の臨時収入や収入の増加を見込んだ支出の先取り」が40.7%と最も多く、次いで「旅行や物品購入などによる支出の先取り」の35.9%、「急な冠婚葬祭などによる支出の増加」16.2%が並ぶ結果となっています。

1つ目と2つ目は「支出の先取り」が共通として見受けられます。
要するに、借入経験者の多くは、給料や賞与などの前借として、貸金業者を利用しているということですね。

とはいえ、全体を通すと、急な出費や自己投資、引越し資金など、借入背景には一定の傾向がなくバラつきがある印象です。
JCBのキャッシングに関するQ&Aでも、カードローン利用者の借入目的を公表していますが、そこでも利用者には偏った傾向はなく、理由や背景も個々人によって様々としています。

つまり、資金需要者が借金をする背景や理由は様々である、といった結論ですね。

5.借入の検討先

借入先として検討された金融機関を調査した項目です。
要はどこにお金を借りようと思ったのか?を問う調査となります。

その結果ですが
「クレジットカード・信販会社」が55.2%と最も高く、次いで51.3%の「消費者金融会社(全国展開等の大手消費者金融)」、26.0%の「銀行等の預金取引金融機関」が続く結果となっています。

最も多かった借入先である「クレジットカード・信販会社」の「クレジットカード」とは、カードのキャッシング枠を利用してお金を借りる方法のことを指しています。
また、「信販会社」はクレジットカードの発行を請け負っていることが多いため同項目として区分されているようですね。

クレジットカードのキャッシングは、国内で出回っているクレジットカードのほとんどで使うことができるため、利用者にとって身近な借入手段の1つとなっています。(アメリカン・エキスプレスなど一部のカードでは利用不可)

次に多かった大手消費者金融ですが、これは「プロミス」「アコム」「アイフル」「SMBCモビット」「レイクALSA」といった大手5社を指しています。
大手5社はテレビCMや広告などを積極的に打ち出していることもあり、比較的知名度が高くなっています。

その他の回答として、銀行や中小消費者金融が並びますが、この辺りは広告宣伝などをあまり積極的に行っていないため、認知度では上位のものより低くなっているようです。

次の項目で、上記の借入先が選ばれた理由を紹介しています。

6.借入先を選んだ理由

上記調査結果の借入先を選んだ理由についての調査項目です。
借入経験者は何を重視して選んでいるかの傾向が分かる調査ですね。

その結果ですが、「借入手続きが簡単だったから」が43.0%最も高く、次いで「金利が低かったから」が41.5%、次点に「審査時間が短そうだったから」の36.5%が続いています。

最も多かった、借入手続きの簡単さは、前質問で記載した「クレジットカード・信販会社」の特徴と一致します。

クレジットカードによるキャッシングは、キャッシング申請を事前に行っておくことで、ATMなどから素早く借入することができます。

また、消費者金融も店頭に足を運ぶことなく借入手続きを行える「web完結(プロミスなど)」や、スマートフォン専用アプリローン等もあるため、借入手続きは極力簡単に行えるよう、各社が注力している部分となります。

2つ目の項目である金利に低さですが、クレジットカードのキャッシングや消費者金融などの貸金業者は他の金融機関と比べて、金利が特別低く設定されているということはありません。

むしろ、貸金業者以外の金融機関である銀行カードローンや信用金庫などの方が、低利の水準にあります。

参考にですが、以下は貸金業者である消費者金融と貸金業者ではない銀行カードローンの金利を比較したものになります。

上記のように貸金業者である消費者金融の方が金利が高い傾向にあります。

ただ、大手消費者金融の「アコム」や「プロミス」、「アイフル」などは無利息期間というサービスを行っており、上手く活用できれば利息を最小限に抑えることも可能となっています。

そのため、この無利息サービスを上手く利用した人の回答が「金利の安さ」に集中したとも考えられるでしょう。

3つ目の審査時間が短さは、大手消費者金融の特徴となります。

大手消費者金融は特に審査時間の短さをセールスポイントの1つとしています。

こちらも参考にですが、大手消費者金融の審査時間を一覧にしたものです。

大手消費者金融では審査時間は最短30分ほど(レイクALSA簡易審査は除く)となっており、融資までの時間も含めると60分前後で借入をすることができます。

一方、銀行系のカードローンや信用金庫といった金融機関は、審査完了までの最短2日~数週間はかかってしまいますので、この短時間審査を目的に貸金業者である消費者金融を選ぶといった人は多いのです。

余談ですが、銀行の金融商品である銀行系カードローンも過去には即日融資に対応していました。

しかし、銀行カードローンは総量規制の対象に該当せず多重債務を引き起こしやすいこと、一部の銀行で反社会勢力への融資が発覚したことなどを受けて、現在は審査が厳格化されています。

銀行の9割が審査厳格化 カードローンで戦略見直し│産経ニュース

この審査の厳格化によって、銀行カードローンは2018年1月から実質的に即日融資が不可能となっており、融資までのスピ―ドを求める利用者の一部は消費者金融を始めとした貸金業者に流れるといった使い分けが現在ではなされています。

7.借入先の満足に思ったサービス

借入経験者が、貸金業者を利用してみて、満足に感じたサービス内容を聴取した項目です。
最も高かったのが32.1%を占める「借入金の使途の自由度」、次に29.0%の「契約手続きの手軽さ」、次点で27.8%の「申込から審査結果がでるまでのスピード」という結果となっています。

最も高かった「借入金の使途の自由度」とは、要は借入金の用途に制限を受けなくて済むというものです。

これは銀行などの目的ローンと比較すると分かりやすいでしょう。

例えば「住信SBIネット銀行」の目的ローンには、「住宅ローン」や「自動車ローン」、「楽天銀行」には「ブライダルローン」など様々なローン商品がありますが、共通しているのは借入したお金がその目的の用途にしか利用できないという点です。

一方、カードローンやクレジットカードのキャッシングは、用途に制限を受けることなく利用できるものとなっていますので、(一部事業資金・投資資金の使途を禁止しているものもある)趣味/娯楽費といった自由な目的で使えるという点が重宝されています。

次点の「契約手続きの手軽さ」の例として挙げられるのは、インターネット申込や簡易審査などの各種サービスでしょう。

インターネット申込や簡易審査などは多くのローン会社で導入されているサービスであり、スマートフォンやPC1つで手続きを大幅に簡略化することができます。

例えばアイフルの1秒診断では、年収や雇用形態などの情報を入力することで事前に審査に通る可能性があるのかを簡易的に診断できる機能が用意されています。

このような手続きの手軽さは、利用者にとって満足度の高いサービスとなっているようですね。

3つ目の申込から審査結果がでるまでのスピードについては、先述しましたが、大手消費者金融が特徴的です。やはり審査時間を気にかけるユーザーは多いということですね。

4つ目の項目である「契約手続きから借入までのスピード」という項目もユーザーが融資スピードを重視しているという傾向を裏打ちするものとなっているでしょう。

全体をまとめると、「借入金を自由に使える点」「手軽に契約手続きが行える点」「素早く借入ができる点」といった、小回りや融通の効くサービスに対して利用者は満足感を感じているということになります。
銀行法に基づく銀行系ローンや日本政府金融公庫などの国策融資は、これらと比べてどうしても条件や規制に縛られてしまいますので、貸金業者を選ぶ人も多いという印象です。

8.計画していた返済期間と原資

借入経験者が借入前に想定していた返済期間と、返済に充てることを想定していた原資に対しての調査となっています。

想定返済期間は、1年以内の想定が53.8%、1年以上が30%となっています。

返済原資として最も多かったのが、「毎月の収入から返済」が81.4%、「ボーナス・賞与から返済」が32.9%となっています。

借入を行った金額にもよりますが、短期間での返済を考えている人が多い印象です。

消費者金融やクレジットキャッシングは、比較的金利が高くなる傾向にあるため、返済期間が長期化するほど利息の支払いが苦しくなってしまいます。

そのため、毎月の収入やボーナス・賞与といった原資から手早く返済を計画している人が多いようです。

ちなみに契約手続きをする前にも、月々に支払う利息金額は計算して見積もることができます。利息の計算方法について詳しく解説がなされている記事がありますので、気になる方は参考にしてみてください。

9.借入できなかった場合の行動・影響

貸金業者で借入が出来なかった場合に、資金需要者の行動や影響を調査した項目になります。

前提として貸金業者では、個人に対して融資審査が行われており、その審査に通過しなければお金を借りることができません。

つまり借入審査に通過できなかった方々が、具体的にどのような方法で対策を行ったか、という調査内容となっています。
その結果ですが、借入出来なかった資金需要者の行動として最も多かったのが、「支出を抑えた」が48.2%、次いで「貸金業者以外から借りた」が27.6%、「相談窓口や家族・知人等に相談した」が27.1%となっています。

1つ目の項目である支出の抑制ですが、要するに節約や節制を行って借入を断念したということです。

上記の別アンケートにて、借入資金の使用用途の調査結果がありましたが、上位は趣味や外食費など所謂嗜好品類が多い結果となっていました。

そのため、必需性の高い用途で借入を希望している人は少なく、節約・節制すれば何とか対応できるという人が多いとも考えられます。

2つ目の「貸金業者以外から借りた」ですが、これは銀行や信用金庫、労働組合などの非貸金業者のことです。

また、非金融機関での例を挙げるならば、大手の質屋郵便局での借入も含まれるでしょう。

貸金業者以外での借入は審査を受けることなく借入できるものもあるため、消費者金融やクレジットカードのキャッシングにて審査に通らなかった人たちがこうした無審査の借入先を選んでいるものと思われます。

次いで27.1%と多かった「相談窓口や家族・知人等に相談した」という項目ですが、

ここで言う相談窓口とは、各貸金業者に設置されているコールサポートや「日本貸金業協会の相談専用窓口」などのことですね。

特に日本貸金業協会の「貸金業相談・紛争解決センター」は借入や返済に関する相談を広く受け付けていますので、借入ができなかった場合の資金対策についても多くの問合せがあるようです。また内閣府主導で行われている「生活困窮者自立支援制度」や「各市町村自立支援政策(例:神奈川県)」などの相談窓口では公的な支援を受けることも可能となっています。

10.滞納有無とその理由

貸金業者から借入したお金の滞納経験の有無とその滞納理由について調査した項目です。まず滞納経験の有無ですが、「滞納経験がある」が93.5%、「滞納経験がない」が6.5%となりました。

次に滞納に至った理由ですが、最も多かったのが「失業して働けなくなったから」が41.1%、「怪我や病気で働けなくなったから」が26.4%、「給与、賞与等が予定通り振り込まれなかったから」が19.4%となっています。

回答者が集中した1つ目と2つ目に共通しているのは、やむを得ない理由で働くことができなくなったという点です。

上記の別アンケート調査結果にもありましが、返済原資については月々の収入を想定している人が多いため、こういった事態になった場合、返済の目途が非常に立てづらくなります。

貸金業者によっては、返済期限について相談に応じてくれる業者もありますが、こういった事情でも遅延損害金や返済利息が免除されることは基本的ありませんので、これはお金を借りることの大きなリスクと言えます。(参照:入院しても借金返済は免除されない?病気で借金が返せない場合の対処法

3つ目の給与・賞与が予定通り支給されなかった場合も同様で、返済が遅れた期間分の延滞金や利息は免除されません。

全体としては、各種それぞれの事情で収入源がなくなってしまい延滞に至ったという傾向が大多数となっているようです。

ちなみに、上記のような事情から滞納してしまい完済することが現実的でなくなってしまった場合、債務整理という方法をとることになります。

簡単に解説すると、債務整理とは利息や遅延損害金をカットして返済額を減額したり

自己破産を行い借金額を帳消しにしたりすることです。

債務整理を行う為には弁護士や司法書士を必要とするほか、信用情報が傷つくなど様々なデメリットが存在するため、最後の手段といった認識が正しいでしょう。

債務整理については、詳しく解説されているサイトがありますので、気になる方は参考にしてみてください。

資金需要者(事業者)の傾向

借入経験のある個人に対して、こちらは消費者金融やビジネスローン会社から借入を行った法人を対象に調査を行った結果です。

日本貸業協会の調査では、貸金業者から事業性資金の借入経験がある事業者1,500名を対象に同様の調査を行っています。

調査結果から、借入経験を有する事業者のステータスを要約すると「年商1,000万円以下の自営業者・個人事業主」が集中している傾向がありました。

通常、開業資金や事業繰りに要する資金は借入額が大きくなることもあり、低利の「日本政策金融公庫」や「信用金庫」「銀行ローン」などから融資を受けるのが望ましいとされています。

しかし、これらの金融機関では審査通過が困難であったり、借入まで一定の期間がかかってしまうなど自営業者や個人事業主には厳しい側面があるのも事実です。

このように審査が通過できない、迅速な資金が必要といった中小企業が貸金業者であるビジネスローン会社や消費者金融での借入に流れているという実態があります。

その他、借入経験を有する事業者の特徴的な傾向を見ていきましょう。

1.借入資金の用途

事業者が借入を行った資金が何に使われたのかの傾向を調査した項目です。

最も高かったのが「取引先への支払い」で55.5%となっています。次いで、「従業員に対する給料等の支払い」で25.4%、「銀行等の預金取引期間からのあり入れに対する返済」が21.1%と続いています。

上から1つ目である、「取引先への支払い」は納金日まで期日が定められたものがほとんどですので、融資には即金性が求められます。

銀行や信用金庫など貸金業者以外からの融資は、借入までに時間がかかることが多いため、即金でお金を借りることができる貸金業者が利用されているものと考えられます。

同じく2つ目の従業員に対する給与等の支払いにも同様に、即金性が求められるものですので、貸金業者が利用されている実態があるのでしょう。

ちなみに、「消費者金融」や「クレジットカードのキャッシング」以外の貸金業者であるビジネスローン会社も即日融資に対応しています。ビジネスローンは個人向け融資と比べて融資限度額が大きいため、上記のような「取引先への支払い」や「従業員に対する給料等の支払い」にも対応しやすいものとなっています。

アンケート回答の全体を通しては、設備や事業に投資する資金を借入でまかなっているといった利用用途は少なく、支払いや返済に借入資金が充てられている傾向があるようです。

2.事業収支状況の変化

貸金業者から資金調達を行った後の、事業状態の今後の見通しを調査した項目です。「事業収支の変化なし」との回答が36.5%、「事業収支が悪化する見込み」が22.3%、「事業収支が改善する見込み」が20.7%となっています。

業種別に見ると、電気ガス水道業や、情報通信業などはDI※がプラスに転じているものもありますが、サービス業や医療・福祉業などその他の業種では概ねDIがマイナスとなっています。

上記の別項目で記載した資金の利用用途では、その用途が「事業投資」ではなく「取引先相手への支払い」が主だった支出項目となっていたことからも、借入に至った事業者は収支の改善幅が少ない傾向にあることがわかります。

また同じく利用用途では、他の金融機関で別途借入した資金の返済に充てているといった回答も目立っており、貸金業者に借入をした段階で多重債務状態となっている事業者も一定数存在し、資金繰りが難しい傾向となっているのが分かります。

法人向けの事業資金は貸金業法総量規制の適用外に指定されているため、多重債務によって経営難に陥っている企業は少なくはありません。

事業者に関する総量規制の詳細については金融庁の貸金業法Q&Aで解説されていますのでご覧ください。

※「DI(分布指標)」は、「改善した」と回答した割合から「悪化した」と回答した割合を差し引いて算出したもので、指標がプラスなら「改善している」、マイナスなら「悪化している」を表す。

3.借入申請を行った背景

事業者が資金の借入に至った背景を調査した項目となっています。最も多かったが、「不況等で売上が減った」が37.0%、「設備投資等で一時的に支出が増えた」が35.1%、「予定していた収入が一時的に途絶える等、運転資金が不足していた」28.3%となっています。

1つ目の項目である「不況等で売上が減った」などの場合は、「共済制度」や「自治体からの支援」を受けて経営を立て直せる場合もあります。

しかし、こうした公的制度の利用には一定の条件を満たしている必要があり、安定して融資を受けられる訳ではありませんので、貸金業者での借入を検討するといった背景が考えられますね。

その他、全体を通した傾向としては、一時的な資金不足の埋め合わせに、借入申請を行った事業者が多いことです。

逆に開業資金といった初期費用調達などの理由によって借入が行われている傾向はないようです。

また、開業資金については貸金業者からの借入とは別途、融資を受ける方法もありますので、そちらへ流れたとも考えられますね。新規開業資金について詳しく記載されているサイトがありますので、参考にしてみてください。

4.借入先として検討した先と検討理由

事業者が借入を検討した先とその検討先を選んだ理由を調査した項目です。借入先として最も検討されたのが、「銀行等の預金取引金融機関」で56.5%、「クレジットカード・信販会社」で40.6%、「大手消費者金融」で30.3%となっています。

借入先として最も検討されている銀行等の預金取引機関での借入は、事業用途に特化した融資パッケージを用意しており、比較的低利な点が最大の特徴となっています。

参考にですが、ジャパンネット銀行のビジネスローン金利は4.8~13.8%と低い水準に設定されています。

しかしその反面、借入手続きの際に事業計画書などの各種書類を作成する必要があったり、担保や連帯保証人の設定、比較的審査が厳しいなど、自営業者や個人事業主には融資を受けづらいという実態があるのも事実です。

そういった銀行融資を受けづらい状況にある事業者が、項目の2つ目であるクレジットカード・信販会社からの借入を検討しているものと思われます。

クレジットカードでの借入は、銀行などと比較して高利ではありますが、無担保で借入ができる点や、迅速に資金調達が可能である点など、銀行融資とは異なる特徴がありますので、無担保・即金性を求める事業者には便利なものとなっています。

次に、3番目に回答が集中した大手消費者金融では、個人向け融資とは別にビジネスローンを用途にするローン商品も存在します。

例えばプロミスの自営者ローンパッケージなどですね。

また、少額であれば個人で借入を行ったお金を、事業用資金に転用するといった方法で資調達を行っている人がいることも別アンケートから分かっています。

全体の傾向としては、事業者は概ね銀行や預金取扱金融機関を検討するものの、銀行融資が現実的でない場合に第二第三の選択肢としてクレジットカードや消費者金融を検討している、といった傾向があるようですね。

併せて、上記の検討先を選んだ理由を調査した結果もご紹介します。
最も回答を集めた「借入手続きが簡単だったから」が41.0%、「金利が低かったから」が36.9%、「審査時間が短そうだったから」が32.5%となっています。

借入先として選んだ理由

1つ目の借入手続きの簡単さは、個人の調査結果でも記載しましたが、クレジットカードや消費者金融の特徴だと考えられます。

また、クレジットカードや消費者金融では担保や保証人の設定は不要となっている点も、事業者からすれば大きな利点です。

一方2つ目の「金利が低かったから」、は銀行や預金取扱金融機関の特徴です。銀行や日本政策金融公庫をはじめとする預金取扱金融機関での金利相場は、約2%~5%(年率)と低く設定されています。これはクレジットカードや消費者金融、ノンバンク系の事業者金融会社の金利相場である5%~18%(年率)と比べると低利であることが分かりやすいでしょう。

5.計画していた返済期間と原資

事業者が借入申請前に想定していた返済期間と返却に充てる原資を調査した項目です。

「1週間から1年以内の返済」が41.2%、「1年以上」が48.8%となっています。

返済計画
画像引用:資金需要者等の現状と動向に関する調査結果報告

個人が計画していた返済期間の想定アンケートでは、「1年以内」の返済が過半数を集めていましたが、事業資金では1年以上に渡って返済をしていくと答えた事業者が1年以内と答えた事業者を上回る結果となっています。

返済に充てる原資では、「売上代金の改修により返済」が最も多い78.2%、「経費等の支出を抑えることにより返済」が38.1%、「預金等の保有資産を切り崩して返済」15.4%となっています。

返済原資
画像引用:資金需要者等の現状と動向に関する調査結果報告

回答の大多数を占める「売上代金の改修により返済」は、前問での返済期間が1年以上を想定している事業者が多いとの回答にも相関があると考えられます。

全体の傾向としては、事業者は将来に発生する売上利益を原資として、中長期で返済していくといった返済計画を立てている人が多いということですね。

ちなみに、事業融資の完済が経営状況により不可能となった場合、返済機関のリスケジュールや追加融資・借り換えなど検討することになります。

それでも完済の目途が立たない場合、最終的には自己破産により倒産といった流れになります。

融資返済ができなくなった場合の対応について解説しているサイトがありますので、よければ参考にしてみてください。

融資を受けられる貸金業者

調査結果本文でも記載がありましたが、お金を借りることのできる貸金業者にはいくつかの種類があります。

ここでは用語説明の意味も込めて、融資を受けることができる各種貸金業者の概要を解説します。

クレジットカードのキャッシング

【概要】
多くのクレジットカードには、「ショッピング」と「キャッシング」という2つの機能が付帯しており、このキャッシングを使うことでカード会社から無担保の借入することができます。

ちなみにショッピングは、所謂カード払いのことで、かかった料金を指定日まで立て替えを行い後でまとめて支払う方法のことです。

【特徴】
クレジットカードのキャッシングの大きな特徴としては、借入までのスピードと手続きの簡単さです。

事前にカードのキャッシング利用申請を行っておく必要はありますが、申請さえ済んでいれば、対応のATMなどで手早く且つ簡単に現金を引き出すことができます。

またこのキャッシングは国内のみならず海外でも利用することができるため、海外旅行などにも便利なものとなっています。

【注意点】
比較的高利となっている点は注意が必要です。

クレジットカードのキャッシング金利相場は15%~18.0%(年率)と、貸金業法の規定最大金利に近い数値が適用されています。

そのため、借入した額が多くなるほど利息の支払いが苦しくなってしまいます。
そのほか、クレジットカードのキャッシング枠について詳しく解説している記事がありますので、こちらも参考にしてみてください

大手消費者金融

【概要】
消費者金融は主に個人向けに無担保融資を行っている貸金業者です。

中でも大手は、SMBCグループや三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンク傘下にある「プロミス」や「SMBCモビット」「アコム」、ノンバンク系の「アイフル」や「レイクALSA」などがあります。

【特徴】
大手消費者金融の大きな特徴は、融資スピードと無利息サービスの2点が上げられます。

アコムやプロミスは申込から融資まで最短60分といった短時間での借入が可能となっています。

また、アコム、プロミス、アイフル、レイクALSAは指定期間内であれば利息が0円となる無利息サービスを行っているのも他の金融機関と差別化できる点です。

【注意点】
消費者金融もクレジットカードと同様に、金利相場が3.0~18.0%(年率)と比較的高利に設定されているのは注意が必要でしょう。

しかし、ご説明した無利息サービスを上手く活用できればどの金融機関よりも負担を抑えて借入できるのも事実です。

また、消費者金融は貸金業法である総量規制の対象業者となっており、最大でも年収の1/3までの金額でしか借入をすることが出来なくなっています。

そのため自営業者や個人事業主が事業資金の用途で借入するには不向きな面もあります。
そのほか、詳しい消費者金融の概要について分かりやすく解説している記事がありますので、よければ参考にしてみてください。

中小消費者金融

【概要】
大手以外消費者金融会社のことです。

代表的なものとしては「フクホー」や「セントラル」「フタバ」などがありますが、サービス内容自体は大手消費者金融と大きな違いはありません。

ただし、経営基盤の盤石さや各サービスの細かな品質などはやはり大手に軍配があがります。

他のローンや大手消費者金融の審査に自信がない人が、第二の借入先として利用される傾向にあります。
具体的な中小消費者金融については、29社を一覧にして比較解説している記事がありますので、ご覧ください。

ビジネスローン専門業者

【概要】
ビジネクスト」や「MRF」といった、事業者向けに貸付を行っているノンバンクの貸金業者です。

消費者金融とは異なり、対法人向けに事業資金の融資を行っています。

【特徴】
事業資金の融資に特化しているため、個人向けの消費者金融と比べて借入限度額が高い水準に設定されているのが特徴です。

また、即日融資にも対応している会社も多いため、融資まで通常1,2週間ほどかかってしまう銀行系ビジネスローンよりも、迅速に資金調達をすることができます。

【注意点】
こちらも金利相場が2.35~18.0%(年率)と、比較的高利に設定されている点は注意が必要です。

また事業資金としての借入は、融資額が大きくなってしまう傾向にあるため借り倒れの危険性が高いことも事実です。

貸金業者以外で融資を受けられる金融機関

【概要】
貸金業者以外で融資を受けられる金融機関としては

銀行(ビジネスローン・目的ローン・カードローン)
信用金庫
労働金庫
信用組合

などがあります。

【特徴】
クレジットカードのキャッシングや消費者金融などの貸金業者と比べて、低利且つ高額融資を受けることができます。

例えば銀行のビジネスローンであれば金利相場は5~10%(年率)、借入限度額は500~5,000万円程度に設定されています。

また貸金業法の対象ではないため、総量規制を受けない点も特徴と言えるでしょう。

【注意点】
低利で高額融資を受けられる反面、審査は非常に厳格になされます。

また、審査時間が最短3日~2週間と長く、即日融資を受けることは不可能となっています。

また、総量規制の対象ではないことから、個人融資での借入総額が年収の1/3を超えてしまうこともあります。

その他注意すべき借入先

貸金業法違反に抵触する、乃至、法外な高金利が設定されている借入先のことです。 

いわゆる闇金と呼ばれる業者です。

代表的な闇金業者としては

貸金業法に登録されていない街金業者(消費者金融)
給料ファクタリング会社
ネット掲示板等の個人間融資

などが上げられます。

1つ目の「街金業者」は全てが違法ではありませんが、中には貸金業法に基づく登録を受けていない業者が存在します。そういった業者は貸金業法で定められた上限金利を遥かに上回る利息を要求してきたり、強引な取り立てを行ってくる可能性があります。

こういった未登録の街金業者は「金融庁の登録貸金業者情報検索サービス」で確かめることができます。

給料ファクタリングは「給与の前借サービス」とも呼ばれ、給料日に受け取る予定の金額を違法な高利で事前貸付するサービスです。

その金利は法定金利の10倍以上にも上り、昨今の財政状況の悪化からも、手を出して被害にあう人が多くなっています。

こういった事態を受けて、弁護士や司法書士による注意喚起が行われているようです。

ネット掲示板等の個人間融資は、その名の通り、インターネット上の掲示板サイトなどで、金融機関を介せずにお金の貸し借りを行うことを言います。

審査や手続きが必要ない分ハードルが低いものと思われがちですが、掲示板には個人を装った闇金業者や犯罪目的で融資を行う人が紛れています。

個人間融資は金融トラブルだけではなく、そのほかの犯罪の温床となっており年々弁護士への相談が後を断ちません。そのほか、個人間融資について詳しく解説しているサイトがありますので、参考にしてください。